仕事内容や職場環境
看護師として働き始めるときに、多くの人は一般科を希望します。しかし、ブランクからの復帰や家庭の事情による転職では、負担の軽減を優先し、透析などを希望する看護師が多いです。その中でもう1つ、人気の高い科が存在します。それが精神科です。
仕事内容
看護学生時代に先輩などから「最初から精神科はやめたほうがいい」と言われた人も多いのではないでしょうか。理由としては、精神科は限定的な業務なので内科疾患に対する理解や知識が薄くなってしまい、キャリアに影響があるからです。しかし、精神科には精神科特有のスキルが必要であり、精神科だからこそ感じる魅力もあります。
精神科で働く看護師が主に行う仕事は、配薬、検温、必要な処置、点滴、摘便・浣腸、傾聴などです。点滴をする機会は一般科よりも減ってしまうでしょう。他には、総合失調症などが原因で活動できない患者さんに対する栄養管理があります。一般科よりも処置の機会が少ないため負担は少ないですが、その代わり配薬や傾聴が非常に重要です。精神科で行う治療には手術がありませんので、薬による治療がメインとなります。薬によって幻覚や妄想を取り除き、患者さんの状態を回復へと導きます。そして傾聴は、ストレスに苛まれていながらもそれを発散できないでいる患者さんや、様々な葛藤を抱えている患者さんとしっかり向き合って話を聞きます。話を聞くだけではなく、自分から話しやすい環境を作り出すことも大切です。精神的な病にかかった理由はそれぞれ異なります。そのため、細かい点まで配慮し個別の患者さんごとに対応するスキルが鍛えられ、深い学びを得ることができるでしょう。
職場環境
精神科の特徴として、働いている看護師に主婦が多い点が挙げられます。その理由は残業が少ないためです。パートや時短勤務ではなく、正社員として働きながら育児と両立している人も多くいます。病棟の種類にもよりますが、精神科の慢性期病棟や開放病棟は17時には仕事が終わります。緊急の手術など突発的な対応が発生することもなく、患者さんの受け入れは日中に行っており夜間の緊急入院もないので、主婦にとっては働きやすい環境です。ただし、急性期病棟の場合は緊急入院があるのでまったく残業がないわけではありません。とはいえ、一般科と比較してみると残業が非常に少ないです。
また、人間関係が他の科に比べて良好なところが多いです。精神科で働く際に求められるのは患者さんの話を聞くスキルです。そのため、看護師同士のコミュニケーションも円滑で、チームとしての団結力があります。ちなみにですが、精神科は男性看護師の割合が一般科よりも多いため、女性だけの職場で起きやすい面倒な人間関係が発生しにくいようです。