まずは注意点を押さえておこう
精神科には一般科にはないやりがいがあります。また、残業が少ないなどのメリットがあります。しかし、その一方で注意すべき点もあります。ここでは、精神科看護師として働く際に知っておきたい注意点について紹介していきます。
自身の精神を安定させること
まず、精神科で働く場合は看護師自身の精神が安定していなければなりません。暴言や暴力で攻撃してくる患者さんがいるだけではなく、強烈にネガティブな思考を持っている患者さんも多いです。当然ながらこういった患者さんの精神状態は安定していません。しかし、このような患者さんとも信頼関係を築くことができなければ治療は進みません。そのため、例えば患者さんがネガティブな発言をしたとしても、その言葉に影響されてこちらもネガティブになってしまうのはよくありません。そういった発言があっても、あくまで症状の1つであると考えて接することが大切です。暴言や暴力についても同様です。精神科では患者さんとのコミュニケーションが重視されるので、コミュニケーションが苦手な人や苦痛に感じる人は注意しましょう。
患者さんの精神状態を安定させるにはこちらの精神状態が安定していることが大前提ですので、患者さんの言動に振り回されてはいけません。しかし、暴言や暴力によって精神的な苦痛を感じて辞めてしまう看護師も少なくありません。強靭な精神力と、その精神を上手にコントロールする術を学んでおきましょう。
声がけは慎重に
精神疾患は数値で測ることが難しいので、患者さんへの声がけは一般科以上に注意を払う必要があります。数値で症状が推し量れないため、その分患者さんの表情や仕草の変化などを見極めて適切な対応をしていきます。また、精神科の患者さんには自殺を図る人もいます。もしかすると、こちらの言動が自殺を図るきっかけになるかもしれません。状態が安定しているときなら気にならない言動でも、精神が不安定なときに聞くことで自殺を企画する引き金になることもありますので細心の注意を払いましょう。
今後のキャリアへの影響
一般科とは違い、患者さんとのコミュニケーションが非常に重視されるのが精神科です。目には見えない「心」を扱うため、身体の容態が急変することは少ないです。そのため、一般科で得られるようなスキルが身につかないというデメリットがあります。例えば採血や手術の補助などといった医療処置はほとんどないので、もし今後精神科以外でも看護師として活躍してキャリアアップを目指したいという人は、本当にこのタイミングで精神科看護師になってもいいのかをあらためて考えましょう。精神科には精神科の魅力がありますが、今後のキャリアを考慮すると注意しなければなりません。